令和2年度 黒部川扇状地フィールドワーク

 10月30日(金)に2年自然科学コース16名が、黒部川扇状地フィールドワークに参加しました。コロナウイルスの影響で、今年度は活動日を1日とし、活動内容は縮小しての実施となってしまいました。朝の8時に学校へ集合すると、バスに乗り込み、黒部川扇状地の扇頂から海岸まで、広い範囲を移動しました。

 黒部川の流水が立山連峰の土砂を削り、数万年という長い時間をかけて形成されたものが、我々の住む黒部川扇状地です。上流から河口までの距離が短い富山県の河川は、流水の勢いが強いことで、非常に多くの土砂を削ってきました。異なる年代の地層が1か所に見られる入善町窪田地区や、縄文時代の遺跡が残る坪野遺跡/愛本新遺跡などについて説明を受けると、生徒たちは興味をもってカメラのシャッターを切っていました。

 黒部川扇状地の扇頂である愛本橋や黒東合口用水では、河川水の流れや沈砂池の仕組みなどの説明を受けました。

 黒部川沿いに海まで下ると、園家山キャンプ場でみられる一等三角点や、地下水を汲み上げる仕組みや深度について説明を受け、地下水の水温などを計測しました。

 杉沢の沢スギ自然館では、沢スギの面積縮小に関する歴史的背景や、沢スギ林内に見られる植生、ニュウゼンオトメキクザクラの原木と新種命名に至った経緯などに関して説明を受けました。

 規模を縮小して実施した今年度のフィールドワークでしたが、生徒たちの積極的な姿勢や興味深そうな目線など、取り組みに対する意識を高く持つことができていたことがとても印象的でした。

 入善高校の理科教育発展のため、次年度の実施についても熟慮し、生徒たちの知的好奇心をより多く満たすことができるように検討していきたいと考えています。